~ドレスは入りゃいいの大勝利~
1. クルーズなんて興味なかったんですけど
「クルーズ、行ってみたいな〜」なんて、これまで一度も思ったことない。
紹介されたから。仕事の都合がついたから。
それだけの理由で、あの“クイーンエリザベス号”に、私は乗せられた。
そう、偶然の重なり合いが私を船に連れて行った。
2. 出航前の地獄:ドレスが全部入らない
ドレスコードがあるキュナード
あわててそれ用のドレスやら何やらを通販で買った。
試着して絶望。入らない。全部。
え、サイズ……いつの間に?
最終的には「ドレス入れ!着ていくものがないのだ!」と唱えながら
搭乗までの数日を執念ですごし
なんと奇跡的に
ジッパーをねじ込み勝利宣言。
娘は犠牲になった。
着れなかったドレスを無言で押しつけた。
親子の連帯責任。
3. 船の中は異世界
乗ったらまず目に入るのは…踊る熟年たち!
社交ダンスの応酬に目が回る。
その横で、私は毎日迷子。自分のキャビンまで3往復は基本メニュー。
そして始まる飯テロ地獄。
最終的におかゆに塩ふって「これが一番うまい」と悟りを開く。
毎日アフタヌーンティーのスコーンで心を整える。

4. 人間観察が楽しすぎる
- カジノでキラキラしたチップを軽やかに放るご婦人
- ショップで高価な絵画をひょいっと買う紳士
- 図書館で英語を黙々と勉強するおじい様
- ジャグジーで見知らぬ人たちと湯に浸かりながら、しょうもない話で盛り上がる謎の集団
イオンで値引きシールを追って生きてきた私には、まぶしすぎる人たちだった。
5. 英語ができる娘、船上で覚醒する
娘は娘で、いつのまにか外国人のコミュニティに溶け込み、なぜか討論に参加していた。
その様子を遠巻きに撮る私。
子熊が知識人の輪に混ざってる、あの感じ。
私が娘を見失って迷ってたら、クルーが気づいて「どした?」と声をかけてくれて、
片言で「マイ・ドーター…グリーン・ドレス…ア・リトル・ファット…」と説明しつつ、
結局すぐ横で演奏聴いてる娘を発見→爆笑→バイバイ。
6. なぜかジムに通ってしまう日々
毎朝おいしくてデッキを散歩→その横をガチランナーがすごい勢いで走り抜けていく。
「走る必要ある?」と内心つぶやきながらも、ジムへ。
運動器具は使えないけど、とにかくスクワット。
ただそれだけで尋常じゃない汗。
「私、体操しかしてないんですけど?」
7. ドレスコードの日、人が美しくなる日
ドレスアップするって、こんなに楽しいのか。
年齢も性別も関係なく、みんなが「装う」ことを楽しんでる空間は、私にとって人生初だった。
着慣れないフォーマルを着る勇気。
自分を少しだけ誇らしく思えた瞬間。
8. そして私は…また乗るのか?
最終日は、海から陸に戻ったのにまだ足元が揺れてるような不思議な感覚。
たしかにクルーズは疲れた。でも笑った。迷った。語った。
たぶん私は、もう一度クルーズに乗ると思う。
今度は「乗らされる」じゃなくて、「ちょっと行ってみたくて」。
☕あとがき
人生初のクルーズは、優雅さと必死さと汗と笑いとおかゆにまみれた9日間でした。
このブログが、誰かの「クルーズってちょっと面白そうかも」なきっかけになったら嬉しいです。
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